注意!補聴器を購入する前にこれをお読みください

補聴器を使う前に知っておくべき

3つの事実

  1. 日本の補聴装用者の満足度はなぜ40%未満なのか?
    (先進国中最下位)

  2. なぜ補聴器はデジタル化して性能が上がっているのに使えない人が多いのか?

  3. 補聴器の装用を問題なく行う
    正しい方法とは?

聴器を使いこなすのはそう容易なことではないという話です。補聴器がデジタル化して約20年が経ちます。アナログ時代には考えられないようなことができるようになり、騒音を抑制したり、快適な音量を常に保つように自動制御できたりと快適に使用でき易くなったのは事実です。

でも今でも使用中の補聴器に満足できない方や使用を断念する方が後を絶ちません。

補聴器 を使う前に知っておくべき 3つの事実

難聴に対する誤解

あなたは難聴とは単に耳の感度が落ちただけと考えていませんか?

耳に手を当てて何度も聞き返すの
で耳元で大声をあげて話すと

えっ?聞き返すから声が小さいと
思って大声をだしたのに…

「やかましい!」と
怒られてしまいました。

難聴に対する誤解 あなたは難聴とは単に耳の感度が落ちただけと考えていませんか?
難聴に対する誤解 あなたは難聴とは単に耳の感度が落ちただけと考えていませんか?

そんな方でも聴力を測ると50~60dB程度の中等度難聴であることが多く、近距離なら声は十分聴こえています。

実は声は聴こえているのに、
なにを言っているかわからない
から聞き返しているのです。
ここに補聴器の難しさがあるのです。

内耳性難聴

難聴で最も多い種類です。加齢による難聴はほとんどこれです。
もちろん聴こえの閾値(聴こえる最小の音の強さ)は上がります。
つまり感度は落ちるのですが、ほかに厄介な3つの現象が同時に起こります。

  1. 補充現象

    補充現象は、音の大きさの制御の異常で感度が下がっているにもかかわらず大きな音は正常の耳よりやかましく感じたりします。

  2. 周波数弁別能低下

    周波数弁別能低下があると音の高さの区別が困難になります。平たく言うと音階の弁別が困難になります。

  3. 時間分解能の低下

    時間分解能の低下が起こると音節の時間変化の追随が困難になります。

いずれの現象も会話音の情報の欠損の原因になります。
つまり聴こえの質の低下が起こるのです。

まだ情報の欠損の原因があるんです!
これで終わりではありません。

情報処理能力の低下難聴の脳

聞こえを認識するのは脳です。
つまり脳に正確に音声信号が送り込まれなければ言葉など認識できません。

内耳障害で長い間音声情報が聴覚伝導路(聴覚の通り道)を通らないと聴覚の通り道が細くなって情報が伝わりにくくなります。

学習して獲得した聞き取る能力を忘れるといった方が分かりやすいかもしれません。

音声の情報の処理が難しくなってきます。
これを音声処理能力の低下といい、難聴の脳ともいわれます。

難聴の脳になると

  • 聴力の割には言葉の理解が悪くなる

    聴力の割には言葉の理解が悪くなる

  • 言葉と周囲騒音の弁別がしにくくなる

    言葉と周囲騒音の弁別がしにくくなる

  • 言葉と周囲騒音の弁別がしにくくなる

    早口になるとついていけなくなる

こういう状態で補聴器をつけると
内耳の厄介な現象と相まって

  • 声が大きく聞こえるが何を言っているかわからない

  • 周囲騒音がやかましく言葉が聞こえない

  • 周囲騒音がうるさくてつらい
    (無視できない)

  • 補聴器を装用しても早口はダメ

難聴の脳は人によって程度の差があり補聴器を装用しても
騒音環境下で聞き取りにくいという訴えが多い傾向になります。

内耳性難聴に対しては補聴器装用によって解決するしかありませんが、
すぐに解決するわけではありません。

ちょっとここで話を変えましょう。
テニスを始めたAさんBさんのお話です。
補聴器もスポーツに似たところがあるのでテニスに例えてお話します· · ·

AさんとBさんは、40代男性で二人は同級生でした。
ちょっと最近体重が気になり始め、二人はテニスをすることにしました。

テニスを始めたAさんとBさん

Aさん

Aさんは格安の店に行きラケットを重さやグリップサイズなど気にせずに強いプロテニスプレーヤーが使っているということで選びました。

Bさん

Bさんは多くの強豪選手を輩出したテニススクールに入りコーチに相談しスクール内のショップでいくつか選んでもらい、試打をして無理なく打てる重さ、グリップの太さのものを選びました。

テニスを始めたAさんとBさん

AさんはYouTubeのテニス教室をみて、近所のサークルに参加し、メンバーにコツを教えてもらいながら、テニスを覚えました。いうまでもなくみんな我流のテニスです。一つのコミュニティとして楽しむテニスです。

Bさんは最初からフォームやフットワークの指導を受けスピンがかかるストロークを学びました。ボレー、サーブも同様に基礎から学んでいきました。腕力だけでなく全身を使って振れるようになると徐々にラケットヘッドが重くなるようにコーチにウェイトをつけてもらいました。そうすることによりさらに強く安定したストロークが打てるようになりました。

テニスを始めたAさんとBさん
Aさん

Aさんは格安の店に行きラケットを重さやグリップサイズなど気にせずに強いプロテニスプレーヤーが使っているということで選びました。

AさんはYouTubeのテニス教室をみて、近所のサークルに参加し、メンバーにコツを教えてもらいながら、テニスを覚えました。いうまでもなくみんな我流のテニスです。一つのコミュニティとして楽しむテニスです。

テニスを始めたAさんとBさん
Bさん

Bさんは多くの強豪選手を輩出したテニススクールに入りコーチに相談しスクール内のショップでいくつか選んでもらい、試打をして無理なく打てる重さ、グリップの太さのものを選びました。

Bさんは最初からフォームやフットワークの指導を受けスピンがかかるストロークを学びました。ボレー、サーブも同様に基礎から学んでいきました。腕力だけでなく全身を使って振れるようになると徐々にラケットヘッドが重くなるようにコーチにウェイトをつけてもらいました。そうすることによりさらに強く安定したストロークが打てるようになりました。

テニスを始めたAさんとBさん

さてAさんBさんが再会しました。
お互い奇遇にもテニスを始めたことを知り、一度ゲームをしようということになりました。

さて結果は...。

結果は言うまでもないですね。Bさんは圧勝しました。
テニスがうまくなるにはBさんのような行動をとらなければならないことは皆さん分かっているわけです。

勘のいいあなたはひょっとしてテニスラケットは補聴器のことでは?
と考えたのではないですか?

ラケットヘッドの重さは、補聴器の出力?
テニスは人の話を聞くこと?
テニスコーチは補聴器相談医や言語聴覚士や認定補聴器技能者?

正解です。

難聴の話に置き換えます

Bさんは耳が聞こえにくくなりしばらく放置したために難聴の脳を起こしていました。
彼は、補聴器適合判定医に相談し、言語聴覚士のもと補聴器装用を始めました。
はじめは周囲騒音がうるさく何を言っているのか理解ができませんでしたが、我慢強く周囲の音を聴き、会話の機会を増やしました。
慣れてくると補聴器の出力を徐々に上げていき、だんだん聴こえやすくまりました。
そしてとうとう必要な出力に達し、日常生活で不自由はなくなりました。
周囲がうるさくても人の話を聞き取れるようになっていたのでした。

という内容になります。要するにBさんのようなタイプの人は聴覚のプロである専門医が指導の元で買うでしょう。



聴覚のプロに相談するなら、週刊朝日MOOK「手術数でわかるいい病院」に載っているような補聴器適合検査実績の多いところへ行けばいいのですが、前記のテニスのプロショップのような補聴器店との提携があるかどうかはご自身でご確認ください。

最初の設問に戻りましょう

(先ほどのテニスのエピソードに置き換えてあります。)

  1. 日本の補聴装用者の満足度はなぜ40%未満なのか?
    (先進国中最下位)

    なぜテニスを基礎から習わない人のラケット購入者の満足度は低いのか?

  2. なぜ補聴器はデジタル化して性能が上がっているのに使えない人が多いのか?

    なぜラケットはカーボングラファイト製になり、性能が上がっているのにそれだけではテニスが上手くならないのか?

  3. 補聴器の装用を問題なく行う
    正しい方法とは?

    ラケットを問題なく
    使う方法とは?

これで答えは分かりましたよね。

テニスも聞くことも頭脳を使う技能ですから同じです。
テニスを忘れたあるいはできない人が跳んでくる球を正確に捉えられないように、聞くことを忘れた人が補聴器を使っても投げかけられた言葉をうまくキャッチできないのと同じですよね。

ハラダきこえクリニック北浜はきこえの相談や補聴器外来を主に行っております。

ハラダきこえクリニック北浜は補聴器適合判定医や言語聴覚士、認定補聴器技能者が常駐しており、医学的に考えうるすべての検査を網羅できるよう施設を完備しております。補聴器のサポートデスクを設置し処方された補聴器のメンテナンスもでき補聴器のワンストップサービスを目指しております。


テニスの話に出てきたスクールの生徒のためのプロショップと同じ形態です。レッスンやラケットのチューニングやレッスンはスクールのコーチがしていましたね。


補聴器のフィッティングや調整はクリニックのスタッフが行い、処方された補聴器の修理・メンテナンスはサポートデスクが行います。

ハラダきこえクリニック北浜は、リラックスできる補聴器の調整空間を持ち、
正確な調整をします。

効果が現れるまで・・・
効果が現れるまで調整と聴覚リハビリテーション(慣らし)を行います。月2回の調整で2~3か月でたいていは十分な
効果が得られますが満足するレベルに達しない場合は購入はお勧めしません。引き続き聴覚リハビリテーションを行いますが最終的に効果が不十分な場合は、代替案(人工内耳など)を提案致します。
耳穴式などのオーダー品でも3か月以内なら試聴は可能です。
納得した効果が得られた補聴器のみの購入が可能です。
聴覚リハビリテーションが順調に終了したときのみ補聴器の購入をお勧めします。
また、当方は医療機関ですから聴覚検査・補聴器適合検査(補聴器の調整等)には医療費がかかりますが、補聴器の試聴は無料です。

クリニックの受診はこちら